ソフトコンタクトレンズの消毒剤には、次の3種類があります。
☆マルチパーパスソリューション( MPS ) : オプティフリー・レニューマルチプラス・コンプリート
フレッシュルック等
☆過酸化水素製剤 : エーオーセプト・コンセプト等
☆ヨード製剤 : バイオクレンファーストケア
マルチパーパスソリューション( MPS )は1つの液で洗浄、すすぎ、消毒、保存ができるので、とても気軽で便利!
という点で優れているものの、過酸化水素製剤やヨード製剤に比べると消毒効果が弱いので、以下の事が必要
です。
☆レンズをすすいでからこすり洗い(表裏それぞれ約20回)した後、よくすすぐ(20秒)
☆こすり洗いは手のひらの上で一定方向にそっと洗う
☆レンズの洗浄には水道水を用いない
☆レンズを装用する前にもMPSですすぐ
☆ケースも毎日洗浄した後、よく自然乾燥する
☆ケースは1ヶ月ごと、新しいものに交換する
☆MPSのボトルは1ヶ月ごと、新しいものに交換し、室温で清潔な場所に保管する(水まわりは雑菌が多い!)
また、中にはMPSの成分によって角膜障害を起こしやすい人があったり、涙の性質に変化が現れてドライアイが
促進される場合があります。
レンズの材質によっては、MPSを用いると角膜に傷ができたり異物感を生じたりするものがあります。
シリコンハイドロゲルレンズ(エアオプティクスEX・エアオプティクス・アキュビューアドバンス・アキュビューオアシス・メダリストフレッシュフィット)
には、過酸化水素製剤やヨード製剤の使用をお勧めします。MPSの中でも消毒成分が塩化ポリドロニウム(ポリクォッド)であるもの
(オプティフリープラス)であれば使用可能です。
過酸化水素製剤は消毒効果は高いですが、間違って原液が目に入ったり、中和が終わっていない状態でレンズ
を装用すると、毒性が強いため眼に傷害をきたします。
中和が完了すると水と酸素に分解され無害となります。
1液で消毒と中和ができるタイプと、2液で消毒と中和を別々にするタイプがあります。
消毒・中和に要する時間は各製剤によって異なり、短いもので10分、たいていは4〜6時間です。
必ず専用容器を使って、使用方法と時間を守って下さい。
専用容器には過酸化水素を分解するための触媒が取り付けられています。
普通のレンズケースを用いると、中和されないまま原液が目に入ることになりますのでご注意下さい。
すすぎ、こすり洗い、1日の中で一時的にレンズをはずして保存する時は、指定された保存・すすぎ液を用いて下さい。
ヨード製剤は消毒・中和・タンパク除去を同時に行うことができて、消毒効果も他剤に比べて高いですが、ヨードに
アレルギーのある方は使用できません。
中和には4時間かかります。
こちらも必ず専用容器を使って、使用方法と時間を守って下さい。
すすぎ・こすり洗いには付属の専用液を使って下さい。
☆どのレンズや消毒剤も、レンズをはずしたらすすぎ⇒こすり洗い⇒すすぎ⇒消毒をして、装用する前にすすぎが必要です。
☆同一のレンズに2剤以上の消毒剤を併用しないで下さい。
☆レンズを装用しない日があっても、毎日レンズとケースを消毒・洗浄し、ケースは乾燥して下さい。
☆どの消毒剤でも24時間たったら再度消毒が必要となります。
☆アカントアメーバに対してはMPS、過酸化水素はほとんど効果がないので、水道水を用いないで、手指・
レンズ・ケースを清潔に保つことが大切です。
☆アレルギー性結膜炎、ドライアイ、レンズが汚れやすい、角膜に傷ができやすい場合など、消毒剤が
合っていないこともありますので眼科専門医によく相談しましょう。
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