緑内障    

            
緑内障ってどんな病気  視神経のはたらきとは  原因  症状  検査  治療  日常注意すること  

緑内障ってどんな病気?

緑内障は視神経と神経節細胞が障害されて、視野(見える範囲)が欠けてくる病気です。

視神経や神経節細胞は再生が難しく、いったん障害された状態を元に戻すことができません。また、自覚症状がないままに進行していることが多いので、早期発見・早期治療がとても大切です。

現在、中途失明の原因としては第1位の病気ですから、放置しておくと失明することにもなりかねません。
最近の疫学的調査では、「40才以上の約20人に1人が緑内障」とわかっています。
しかし、実際に治療を受けている人は2割とも言われています。
視神経のはたらきとは?
眼球の内側には網膜というカメラのフィルムにあたる膜があります。

網膜には明るい所で働いたり、視力に関わっている神経細胞が700万、暗い所で働く神経細胞が1億3000万あり、それらの細胞1〜100個から神経節細胞を介して1本の神経線維が出ています。

これらの神経線維百数十万本が集まって1本の束である視神経となり、眼球の底から脳に情報を伝達する導線の役目をしています。

左の図は、網膜を走る神経線維です。白い丸い部分は神経線維が集まって眼球の外に出ていく部分(視神経乳頭)です。
     (Hogan MJ Histology of the human eye 1971より)
原因
眼球はゴムボールのようなものですが、ゴムボールに空気を入れると硬くなりますね。
これが眼球で言うと「眼圧が高い」状態です。

眼球の場合は空気ではなく、房水という液体の量で眼圧が決まります。
房水は角膜と虹彩の間(前房)を満たしており、絶えず虹彩(茶色目)の後ろにある毛様体で産生され、虹彩の前に回って、角膜と虹彩の間(隅角)から出て、血管内に吸収されています。

この房水が産生されすぎたり、隅角から出ていきにくいと、房水が眼内にたまって眼圧が上がるのです。

このように眼の構造に原因がある場合の他、眼の炎症や、糖尿病など眼底の血管が閉塞する病気、ステロイド剤等でも眼圧が上がることがあります。

眼圧が高くなると視神経と神経節細胞に障害をきたします。
日本人の場合、高齢者になると眼圧の正常値が下がりますし、最近の疫学的調査では正常眼圧緑内障(眼圧が正常でも緑内障を起こしている)が緑内障の6割をしめるということが分かっています。視神経が少しの眼圧変動に対しても弱い体質だったり、視神経を栄養する血管の循環が悪いなどの説が考えられています。

逆に眼圧が高くても緑内障を起こしていないケースもあります(高眼圧症)。この場合、もともと視神経が高い眼圧に対して強い体質をしていると考えられます。ただ、将来、緑内障に移行していく可能性は高く、やはり定期検診が必要で治療を要することもあります。
症状
       正常な視野 緑内障の視野
(黒い部分が見えない)
進行した緑内障の視野

視神経線維が障害されると、その線維が支配している視野の部分がゆっくりと見えなくなります。
視野が欠けてきても、視力を出している網膜の中心(黄斑部)の機能は比較的保たれることが多いので、「見えにくい」という自覚症状が現れた時には既にかなり進行した状態となります。

その他の症状として「疲れやすい」「目が重い、奥が痛い」「頭が重い、痛い」と感じることもありますが、たいてい無症状のことが多いです。

急性緑内障では、眼圧が急に高くなって、非常に強い眼痛と頭痛、吐き気、視力低下、充血をきたし、早急に治療が必要となります。
特に隅角が急に閉塞した場合は、症状が急激で激しく、一晩で失明してしまうこともあります。
検査
眼圧測定、眼底検査、視野検査等によって総合的に診断します。

眼圧は測定する日や時間、季節によっても変動があります。

眼底検査では、視神経の状態を観察します。緑内障では視神経乳頭( 視神経線維が束となって眼底から出ていく所 )の真ん中にあるくぼみが広がったり、いびつになったり、左右差が大きくなったりします。 
また、視神経線維の欠損を直接観察できる場合もあります。
左の写真はフィルターを通して撮った眼底の写真です。
丸いのは視神経乳頭で、赤い矢印は視神経乳頭のくぼみが広がっている部分、白い矢印は視神経線維が欠損している部分で周囲より暗く写っています。
視野障害に先行して視神経の異常が現れるので、眼底検査も大切な検査なのです。

視野検査では、視野が欠けているかを調べます。細かい検査なので疲れますが、最終的に緑内障であるか、またその進行度を判定する重要な検査です。

緑内障は数年〜十数年かけて徐々に進行していく病気ですから、定期的に検査を受けて頂き、経過を追いながら治療方針をたてていくことが大切です。
治療

緑内障の治療は進行を抑えるもので、いったん欠けてしまった視野を元に戻すことはできませんので、「早期発見・早期治療」が何と言っても最善策です。
40才を過ぎたら眼科受診した際には眼の病気についてもチェックしてもらうとよいですね。発症する年齢には個人差がありますから、30代でも近視の強い方や家族に緑内障がある場合など緑内障を発症していることがあります。

現在、緑内障の治療目標は「眼圧を下げる」ことです。
まず点眼剤を用いますが、点眼剤の中には喘息、重い気管支の病気、コントロールの難しい不整脈や心不全等があると使用できないものもあります。最近は体に負担のない薬も増えており、昔に比べ選択肢が広がっています。
点眼剤は回数を多くさせばもっと良く効く、というものではありません。効果は充分持続するようになっていますので、回数は必ず守りましょう。また、点眼したり、しなかったりでは折角の効果も期待できません。
生活習慣に合わせて点眼時間を決めておくと忘れにくいでしょう。
点眼剤で眼圧がコントロールできない場合、また視野障害が進行する場合は手術が必要となります。しかし、手術も進行を抑えるのが目的で、白内障手術のように見え方を良くするものではありません。
日常注意すること

一度に大量の水分やアルコールを飲むと眼圧が上がることか゛あります。

隅角が閉塞しているタイプの緑内障の方は、長時間うつむいたり、細かいものを見続けると眼圧が上がります。また、内視鏡検査で用いる薬や風邪薬・胃薬の中に眼圧が上がるものがありますので前もって主治医に相談しましょう。

 

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