白内障はどんな病気?

白内障は眼の中の、カメラで言えばレンズにあたる水晶体がにごる病気です。進行すると、すりガラスを通して見るようにかすんで見えたり、視力が低下します。主には老化によるものですが、糖尿病、アトピー、ステロイド内服、眼のけが等でも起こりやすい病気です。進行のスピードや感じ方には個人差があります。
にごり方によっても視力低下のスピードや見え方が違います。水晶体は水晶体嚢という透明な膜に包まれていて、真ん中に核という少し硬い部分があり、その周りに皮質という柔らかい部分があります。水晶体はチン氏帯という非常に細い線維で虹彩(茶色目)の後ろの毛様体に固定されています。
◆若い時、核はとても柔らかく透明ですが、老化と共に硬くなり、白色から黄色へ、ひどくなると真っ茶色になります。核がにごる白内障はゆっくり進行するので、たいていの場合、にごっているわりに「見えなくなった」と感じにくいようです。また、進行と共に近視化して、「以前より近くがよく見えるようになった」とか「近視が強くなった」と感じることがあります。
皮質がにごる白内障は放射状のにごりが増えてきます。にごりが瞳孔の部分にでてくると見えにくいと感じたり、光によって乱反射を起こすのでまぶしくなったり、明るい場所でかすんだりします。
水晶体嚢に接してにごりがでてくるタイプの白内障は真ん中の瞳孔の部分からにごることが多いので、他のにごり方に比べ直接見え方に影響がでやすく、比較的短期間で視力が落ちたり、まぶしさを強く感じたり、車のヘッドライトが放射状に散って見えたりします。
◆急激に進行する白内障として膨化白内障があります。白内障が急に真っ白になり、ふくらんできますので、放置すると緑内障を起こしたり、水晶体嚢が弱くなって眼の中に炎症を起こすことがあります。
◆以上の変化とは別に、白内障の進行や目の老化と共にチン氏帯がゆるくなり、水晶体が前方に移動すると緑内障を起こしやすくなります。
複数のタイプのにごりが同時に進行することも有れば、どれか1つのタイプのにごりが強くなる場合もあり、にごり方は様々です。


                                             

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